手作りの大型7セグメントフルカラー表示器を使った置き時計

夜中に目が覚めた時、もう一寝入りするか、そろそろ起きるか、知りたくなりますね。身動きせずにねぼけた目を開けるだけで時刻がわかる大きなデジタル時計が欲しいと思いました。日中は明るくカラフルで楽しい表示でも、暗くなったらまぶしくない明るさで落ち着いた色で表示してくれる時計があったらいいですね。

アナログの掛け時計は秒まで合っていなくとも気になりませんし、数分違っていてもそのまま放置している人が多いと思います。時刻表示がついている家電製品は身の回りにたくさんありますが、多少時刻がずれていても気にならないものです。でも、大きくて目立つデジタル時計の場合は分単位でキビキビ生活している人でなくとも、テレビの時報や朝の時刻表示とずれていると残念な気持ちになるでしょう。

さて、一般的には数字を表示する方法として7セグメントLEDが使われています。大きな7セグメントLEDも販売されていますが単色でしか光らず高価ですので、手作りで大きな7セグメントLEDを作ってみようというのが私の提案です。
普通のRGBフルカラーLED(例えばOSTA5131A-R/PG/B)を制御するには3本のPWM出力が必要です。1桁分に7個のRGBフルカラーLEDを使うと21本のPWM出力ですから電気回路が大変になります。そこでLEDに制御用マイコンが入っているフルカラーシリアルLEDテープを使用します。NeoPixel Digital RGB LED StripとかWS2812B led strip lightとか色々な名前で販売されています。1セグメントに2個*7セグメント*4桁=56個のLEDを使うと、価格は、例えばスイッチサイエンスで購入したとすると、3000円ぐらいです。AliExpressをうまく使えれば1/5ぐらいの値段で手に入ります。

置き時計のアバウトな仕様
・数字は縦10cmぐらいの大きさ
・時分だけ表示(時刻合わせは秒まで)する
・環境光により夜昼モード切り替えできる
・インターネットや電波(標準電波、GPS)がいらない
・USB給電

ハードウェア
・Arduino (Nano互換機)
(Amazon)HiLetgo Nano V3.0 (380円@170705)
・バッテリーバックアップ付きリアルタイムクロック (DS3231)
(Amazon)HiLetgo DS3231時計モジュール (210円@170705)
・照度センサーと抵抗(22kΩ)
(秋月)照度センサ NJL7502L (100円/2個)
・フルカラーシリアルLEDテープ
・タクトスイッチ2個

配線
Arduino Nano
D2————-Rボタン(他端はGND)
D3————-Lボタン(他端はGND)
D7————-SerialLED信号
5V————-VCC(SerialLED)
GND————-GND(SerialLED)
A0————-NJL7502L(短い足)と抵抗(22kΩ)を通してGND
5V————-NJL7502L(長い足)
A4————-SDA(DS3231モジュール)
A5————-SCL(DS3231モジュール)
5V————-VCC(DS3231モジュール)
GND————-GND(DS3231モジュール)

ソフトウェア
– – – – メイカーフェア東京2017で使用したスケッチ(SimpleClock31)
昼夜モードの判断は照度センサの値を10回測定した平均値で行って、閾値付近でモードの切り替えが頻繁に発生することを防止しています。昼はカラフルなrainbowCycleをベースにしました。rainbowCycleは明度が一定で色相が360度回転する関数でAdafruit_NeoPixelライブラリのサンプルスケッチのstrandtest内で使われています。夜は明度を落としてオレンジ色の光で表示します。

どちらのモードでも時刻の取得、時刻設定ボタンの状態チェック、56個のLEDの点灯設定、点灯、待機(delay)を繰り返します。時刻の取得はRTCライブラリの関数で現在の時刻を調べて、表示している時分と異なる場合は4桁の数値の更新と全てのLEDについて1(ON)か0(OFF)か配列に書き込みます。時刻設定ボタンの状態チェックで、両方のボタンが一定時間押されていれば時刻合わせモードに入ります。

時計合わせがプログラムの半分ぐらいを占めていますのでフローチャートを書いてみました。

(170811)

Makers Faire Tokyo 2017に出展します

8月5日、6日に東京ビックサイトで開催されるMakers Faire Tokyo 2017に出展できることになりました。

私のブースのメインの展示品は「手作りの大型7セグメントフルカラー表示器を使った置き時計」です。

デジタルクロック(RTC:DS3231版)の記事から若干の変更を行いました。1セグメントに1個だったLEDを、1セグメントに2個に増やして視認性を向上しました。LEDの配線が大変な手間でしたので、CNCルーターでプリント基板を作成してハンダ付けを楽にして、信頼性も少しだけ向上したと思います。プログラムも変更が必要でしたので別の記事としてアップしたいと思います。

(2017.06.26)