「スクエア&キューブパズル」地産材でのクラフト製作の勧め

“Square & cube puzzle” :Recommendation for crafting with local wood

この記事はMFTokyo2019 (Maker Faire Tokyo 2019 )エントリーシートの予稿です。

「メイカーフェア東京2019での計測・解析ラボのプロフィール」
計測・解析ラボは盛岡市を拠点に個人事業としてLabVIEWプログラムの受託開発とArduinoなどオープンなハード・ソフトの講習会を行っています。プログラムとレーザーカッターを使った木工パズルデザインは3年目となり、地域の木材活用と木工クラフト作家との連携を模索しています。MFTokyo2019ではパズル作品を通しての交流やメイカー向けLabVIEW Home版の情報共有を行いたいと思います。

「メイカーフェア東京2019での出展内容の紹介」
正方形から立方体を組むことのできる幾何学的な美しさが特徴のスクエア&キューブパズルです。立方体4個を平面に並べた5種類のピースを16個使ったパズルで、PCやスマホで疲れた目を休めて指先を使い立体図形に親しむことができます。レーザーカッターで作ったプロトタイプを見本に岩手県内の木工家に地域材を使ったクラフト製作を勧めています。もちろん3Dプリンターでの自作も可能です。

12cm Cube(Left) and 6cm Cubes(Right)
15mmのアカマツ材をレーザー加工

 

デモビデオ@ユーチューブ

パズルのデモビデオ(ユーチューブ)

 

「スクエア&キューブパズル」の製作の経緯
MFTokyo 2018では「チーム岩手」から「プログラミングとレーザーカッターの素敵な関係」というタイトルで参加しました。2次元の図案をレーザーカッターで加工すると厚みのある2.5次元のパズルに成ります。次回のMFTokyo 2019ではレーザーカッターで3次元のパズルを作成したいと考えていました。

ちょうどFusion 360を使い始めて立体的な箱物を作る時のはめ込み設計に便利なことに気がついて操作の練習をしていたのですが、レーザーカッターで作ったピースを組み立てて立方体にするアイデアが浮かびました。正方形から切り出したピースが立方体になるパズルは幾何的に美しい構成です。単位立方体の個数で表現すれば次のような関係に成ります。

(正方形)  (立方体)  (単位立方体の個数)

8 x 8 = 4 x 4 x 4 =64

27 x 27 = 9 x 9 x 9 = 729

128 x 128= 16 x 16 x 16 = 4096

とりあえず、一番小さな組み合わせの4 x 4 x 4の立方体で考えることにしました。テトロミノというテトリスで有名な形状は正方形4個の組み合わせで5種類できるので、Fusion 360で4 x 4 x 4の立方体のモデルを作って4個づつ”結合”して全てテトロミノにすることができるか実験してみました。何度か試行錯誤して16個のテトロミノに分割できました。次はその16個で正方形ができるかやってみました。正方形になりました。

平面パズルに使っている厚さ6mmのアカマツ板では2.4cmのキューブにしかならないので、厚さ10mmを注文して作成しました。できることはできるのですが、まだ小さいので、レーザーカッターの限界と言われる15mmの板を注文して作りました。正方形のサイズは12cm、立方体のサイズは6cmになります。正方形の外枠を14cm角にすると持ち運びを考えるて手頃な大きさだろうと思います。外箱は一関の金森紙器さんに作ってもらいました。

一関市の金森紙器さんの外箱

テトロミノについて知っておこう
正方形を2個つなぎ合わせた形状をドミノ と言います。3個つなぎ合わせたのがトロ ミノ、4個つなぎ合わせたのがテトロミノ です。5個つなぎ合わせるとペントミノで すが、このようにN個つなぎ合わせた図形 の総称をポリオミノと言います。テトロミノは5種類ありますが、図形の特 徴からI、L、T、Z、Oと呼ばれています。 I、L、Tは見た目通りですが、正方形をO、 残った1個がZです。
スクエア&キューブパズルには4個の単位立方体で作 ったテトロミノが16個入っています。5種類のテトロミノから16 個選ぶ方法はたくさんありますが、I型が3個、L型が4個、T型が2 個、Z型が3個、O型が4個の組み合わせに しました。

地産材でのクラフト製作の勧め
岩手に旅行で来た時に地元のクラフトマン が作ったスクエア&キューブパズルを目にする日が来 るかもしれません。地域の木材を使ったパ ズルは、木の種類によって色や木目、重さ や手触りが違うことを発見して自然を身近 なものとして考え、豊かな森林への関心を 高めることができるでしょう。西和賀町に 広がる国内有数のブナ林、北限のツバキが 咲く大船渡、遠野地方の広葉樹、久慈の南 部赤松、平庭高原の白樺など広い岩手県に は地域を代表する木が多くあります。天然 木の手触りの良さとともに地域性が感じら れるスクエア&キューブパズルが各地で購入できたら 嬉しいことです。もちろん秋田の杉、青森 のヒバなどを使って各地のクラフトマンが 作ってくれたらもっと面白いだろうなと思 います。

スクエア&キューブパズルに関連する特許
独自の発想で作ったパズルですが、幾何的にきれいなパズルなので誰か他の人も考えていただろうと思って、スクエア&キューブパズルに関係する特許について調 べてみました。古い特許ですが1988年にアメリカで登録され た「BLOCK PUZZLE」という特許があり ました。テトロミノ16個を正方形に詰める パズルとテトロキューブ(立方体を立体的に4個つないだ図形)16個を立方体に組むパズ ルを併記しています。正方形に詰めるパズルの厚みを変えるだけで立方体ができるのですが、念頭にはなかったようです。

サイコロでスクエア&キューブパズルを作ろう
とりあえずパズルが欲しい人はサイコロを瞬間接着剤で接着してパズルピースを作ってみましょう。16mmのサイコロが50個入りで1100円ぐらいで購入できます。

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